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 よしこさんはイチゴをaこ持っていました。ひかるくんとじゅんくんがそれを同じかずだけ食べてしまいました。4にんでたべるおかしにつかうイチゴがたりなくなりました。やよいさんはイチゴぜんぶをbぶんの1にきりました。これで4にんで同じかずのイチゴにわけられたので、おかしも同じかずにできました。よしこさんがさいしょにもっていたイチゴはいくつだったでしょう。やよいさんがイチゴをきったのはさいしょうで何ぶんの1だったでしょう。





「これは因数分解を使えば解けるね。まず――」
 じゅんくんがさっそく計算を始めた。しかし隣のひかるくんはきょろきょろとあたりを見回し、そのおかしが近くにないかを確認した。
「たぶんだけど」
 目が期待にきらきらしている。
「イチゴは最初100個あったとして俺と三杉が49個ずつ食べると2個残るだろ。それを半分にすれば全員に当たるじゃないか。青葉、おかしどこ?」
「だめよ、そんなにイチゴ食べたらおなか壊すわ!」
 よしこさんが涙目で叫んだ。
「答えは、適量よ!」
「よしこちゃんたら」
 やよいさんがため息をついた。
「100個だの言わせてないで、そんな食いしん坊達はすぐに阻止しないと」
 たとえどんな手を使っても。そういう目つきになったやよいさんを見てよしこさんは黙った。
「じゃ、お茶にしましょう」
 やよいさんはお茶を運んできた。よしこさんもカップとお皿を4人分並べて準備する。
「これは4以上の偶数だね。ただ最後におかしはいくつになったかが示されてないから問題としては成立しない…」
「そもそもイチゴを等分なんて限度があるわ。いくらがんばっても6等分が精一杯でしょ。それ以上だとぐずぐずになって飾りになんてできないし」
「確かにそうね」
 よしこさんはうなづいた。
「じゃあイチゴは6個かな。僕と松山が1個ずつ食べて、残り4個をおかしにする――これが最小値だね」
「切るなんて面倒なことしないで、つぶしちゃえばいいのよ。で、4等分」
 やよいさん以外の3人はショックを受けた顔で絶句した。
「イチゴは飾りにしないで全部ピューレにして中に入れたから」
 彼らの前にお茶と一緒にタルトレットが1つずつ並べられた。
「正解は『おかしはおいしかった』よ」
 それについては異論はなかった、ようだ。たぶん。



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